こちらのページをご覧になっているということは、外壁塗装の工事の流れをお調べになっているかと思います。
そこで今回は、外壁塗装マニアの尾崎が、外壁塗装の流れと工事期間について詳しくご説明いたします。
少々長くなりますが、しっかりとポイントをご説明しますので、最後までお付き合いください!
外壁塗装工事は大きく分けて5つの工程
まず、皆さんが思っている以上に、外壁塗装工事には様々な工程があります。
私がご相談を受けた方のなかにも「外壁塗装はペンキを塗るだけの簡単な工事」と思っていた方が、大変多くいらっしゃいました。
しかし、それは大きな間違いです。
外壁塗装工事は大きく分けて「足場設置」「洗浄」「養生」「塗装」「足場解体」の5つの工程で行われます。そして、工事期間の目安は2週間と意外と長期におよびます。
ある程度、工事の流れを把握しておくと日程調整もしやすくなりますので、外壁塗装を依頼する前に確認しておきましょう。
現地調査・見積もり作成
外壁塗装の見積もりを依頼すると、だいたい1週間ほどで概算見積もりが作成されます。
概算見積もりの段階で、2〜3社の塗装業者を比較すると良いでしょう。
比較した中から実際に依頼する塗装業者が決まると、次は正確な見積もりを出すための現地調査を行います。
現地調査では、外壁の劣化状態、補修箇所の有無から塗料を決めたり、足場設置スペースの確認、近隣環境の確認などを行います。
現地調査の結果を踏まえて、1週間ほどで最終的な見積もりが送付されます。
見積もり内容に問題がなければ契約となり、外壁塗装工事の着工となります。
ここまで約2週間、意外と時間がかかりますね
ご近所に挨拶回り
騒音や塗料の臭いが気になる外壁塗装では、近隣住民への配慮は欠かせません。トラブルを防ぐためにも、住人同士からのご理解は必要不可欠です。
ですので、まずは外壁塗装工事を行うという報告を兼ねて、ご近所に挨拶回りをしましょう。
基本的には、塗装業者の担当者が代わりに挨拶回りをしてくれますが、施主ご自身でも一言挨拶に行くといいでしょう。
この時、ちょっとした菓子折りを用意しておけば間違いありません。
また、高圧洗浄の水や塗料がお隣に飛んでしまうことを想定して、車や自転車のシートも業者の方で用意してもらいましょう。
外壁塗装工事が原因でご近所関係が悪化しないよう、予防線を張っておきましょう
足場設置
外壁塗装工事の手はずが整ったら、いよいよ足場設置です。
足場専門の業者が存在するほど、足場設置は高い技術が必要。安全かつ効率良く作業できるよう、建物を囲むように足場を組んでいきます。
金属音による騒音
足場材は金属の鉄パイプや板が使われます。ですので、組み立て時にカンカンと甲高い音が周囲に響くでしょう。
この音、聞きなれない人にとってはなかなかの騒音です。もし、挨拶回りを怠った場合は住民トラブルになりかねません。
足場職人同士の掛け声も意外と気になったり…
メッシュシートで飛散防止
足場が組み終わるとメッシュシート(メッシュネット)と呼ばれる布で建物を覆います。
メッシュシートは洗浄水や塗料の飛散防止だけでなく、防音効果もあります。
メッシュシートまでが足場設置で、基本的に1日で終わります。
外壁や屋根の高圧洗浄
次に、高圧洗浄機を使って建物丸ごと洗浄。外壁や屋根に着いたカビや苔などの汚れを、1日かけてキレイに落としていきます。
外壁の表面をキレイにすることで、この後に塗る塗料の密着性が格段に良くなります。
基本プランに含まれてない場合でも、高圧洗浄は必ず行うようにしましょう。
高圧洗浄を行わない業者は100%手抜きです
高圧洗浄機のエンジン音
塗装業者が使用する高圧洗浄機は、テレビCMで目にする「ケルヒャー」といった一般家庭用ではありません。エンジン式のとても強力な業務用の高圧洗浄機です。
パワーが全然違う分、騒音もかなりのもの。例えるのであれば、原付バイクがエンジンをふかしている状態。それが1日中続きます。
騒音はかなりうるさいですが、それだけ強力ということ。ここでも、挨拶回りの必要性を感じられるでしょう。
ご近所さんに配慮して、静音タイプの高圧洗浄機を使う場合もあります
シーリング剥がし・打ち直し
外壁材の継ぎ目には、シーリング材(コーキング材)と呼ばれるボンドのような素材が流し込まれています。このシーリング材(コーキング材)は防水性や気密性を高める為に使用されていますが、だいたい10年ほどで劣化して、ひび割れてしまいます。
ですので、大抵の場合は外壁塗装とセットで、まず古いシーリング材(コーキング材)を剥がす作業から行います。
古いシーリング材(コーキング材)を剥がし終えたら、新たにシーリング材(コーキング材)を流し込む(充填・打ち直し)を行います。作業日数は1〜2日間。
補修・下地処理
必要に応じて、塗装前に外壁の補修も行います。
小さなクラック(ひび割れ)や穴は、シーリング材やパテ材を使って補修。大きな破損は外壁材を部分的に交換する場合もあります。
小さなひび割れでも、しっかり補修してくれる業者は間違いありません
養生
養生とは、余計なところに塗料が付かないようにカバーを掛けていく工程です。
プロとはいえ、塗装はすべて手作業。養生なしで完璧な仕上がりにできる職人はまず存在しません。
質とスピードを両立するためにも、養生は必要不可欠となります。
養生箇所は、ドア、窓、ベランダ、手すりなど、塗料がついてはいけないところ全て。
紙テープ(マスキングテープ)やマスカー(ビニールシート)を使い分け、1日かけてキレイに覆っていきます。
養生は仕上がりに関わるとても重要な工程。養生がおろそかな業者は、仕上がりも悪いと言えるでしょう。
養生作業はかなり地味ですが、仕上がりに関わってくる重要な工程です
外壁塗装(下塗り)
足場設置から最短でも4日目、やっとメインの外壁塗装になります。
外壁塗装は3回塗り3層仕上げが基本。その一番初めとなるのが下塗りです。
下塗りでは、既存塗膜と新塗膜との密着性を高める、とても大切な工程。下塗りの有無によって耐久性は全然違います。
サイディングにはシーラーやプライマーと呼ばれる塗料を、トタンなどの鉄部にはサビ止めを塗ります。
下塗りに使う塗料は4〜8時間ほどで乾燥するので、下塗り工程は1日で終わります。
下塗りの出来次第で、この後の中塗り・上塗りの仕上がりが決まると言っても過言ではありません
外壁塗装(中塗り)
下塗りの次は中塗りです。中塗りでは、下塗りと上塗りの付着性を良くする、また塗膜に厚みを持たせるといった目的があります。
中塗りで使用する塗料は、上塗り用の塗料を使う場合が大半です。
中塗り専用の塗料もありますが、使い分ける分、費用が高くなるデメリットも。上塗り用の塗料で十分でしょう。
下塗りと中塗りを同日に行う場合の注意点
下塗りで使う塗料は比較的早く乾きます。そのため、上手く塗装箇所を分けて、下塗りと中塗りを同日に行う器用な業者もあります。
ただ、急ぐあまりに完全に乾燥する前に中塗りをしてしまう場合もあります。塗料が乾き切る前に上塗りすると、塗膜が剥がれる原因となります。
塗料の乾燥時間の目安は天候にも左右されます。無理に急がせるのではなく、1日かかっても良いというくらいの余裕を持ちましょう。
施主様の「ゆっくりで大丈夫ですよ」の一言が、職人とって大きな安心材料なんです!
外壁塗装(上塗り)
中塗りが完全に乾いたら、外壁塗装の最終仕上げ、上塗り工程です。
上塗りでは、塗膜に厚みを持たせながら、色とツヤの調整を行います。
中塗りと上塗りの塗料はどうするか論争
上塗りに使用する塗料ですが、外壁塗装業界では「中塗りと上塗りは別の塗料を使う派」と「中塗りと上塗りは同じ塗料を使う派」の論争が勃発しています。
中塗りと上塗りは別の塗料を使う派
塗料が違えば「塗った」「塗ってない」の業者による不正が防げる
色が違うので塗った箇所が分かりやすく、塗り忘れ防止になる
中塗りと上塗りは同じ塗料を使う派
塗料の種類が増えれば、それだけ費用が高くなる
別の塗料で相性が悪ければ、塗膜の耐久性が落ちる
塗装業者によって様々な考えはあると思いますが、私の個人的な結論は「中塗りと上塗りは同じ塗料を使うべき」と考えます。
業者を疑い、中塗りと上塗りの塗料を変えるというのは、お客さんがリスクを背負っている状態。
つまり、お客さんが塗装業者を信頼できていない時点で、業者選びに失敗していると言えます。
また「塗り忘れ防止」なんて言語道断、プロにあるまじき発言です。お客さんから費用を頂戴している以上、ミスは許されません。
そういった意識の低い業者に依頼した時点で、やはりこちらも業者選び失敗です。
中塗りと上塗りは同じ塗料を使う、これが私なりの正解です!が、そこまでこだわる事じゃありません笑
付帯部塗装
付帯部とは、破風板、鼻隠し、軒天、雨樋、雨戸、階段といった、外壁以外の部分のことを言います。
付帯部が鉄製の場合は、錆を削る作業(ケレン掛け)を行い、素材に適した専用の塗料を使用します。
付帯部塗装のタイミングは業者によって様々。下塗り前、中塗り前、上塗り前、上塗り後など、天候や状況に応じて異なるでしょう。
刷毛を使った細かい作業が続きます
養生取り・清掃・確認
上塗りや付帯部塗装が終われば、外壁塗装はほぼ完了。あとは、養生を剥がして、細かな塗料の拭き取り作業を行います。
その後、プランナーや依頼主と一緒に仕上がりを確認。最終チェックとなります。
この時、不満な箇所、気になる箇所があれば遠慮せずに言いましょう。足場があるうちは、いくらでも修正が効きますので。
塗り残し、塗り忘れ、塗り間違いをチェックしましょう
足場解体
最終チェックが問題なければ足場解体です。
建物を取り囲っていたメッシュシートも取れて、見違えるように綺麗になった外観が初お披露目となります。
ちょっと離れてみると、また違って見えるもの。
足場はありませんが、もしこの時でも何か気になる点があれば遠慮せずに聞いてみましょう。
日の光が当たると、ツヤも分かりやすくなります
引き渡し
工事内容に問題がなければ、無事に引き渡しとなります。
敷地内の簡単な清掃を行い、最後は塗装業者の担当者と一緒に近隣宅へ挨拶回り。
工事終了の挨拶に関しては、後日、施主が改めて行う必要はありません。これで完了です。
これで工事完了!お疲れ様でした!
屋根塗装を行う場合
外壁塗装とあわせて、屋根の塗装をお願いする方も多いと思います。せっかく足場を組むのであれば、屋根塗装も一緒にやってもらった方がお得でしょう。
屋根塗装の場合も、下塗り、中塗り、上塗りを行います。
また、雨漏りなど屋根の補修を加味すると、工事期間は3〜4日ほど工事日数が追加になるでしょう。
外壁塗装が先になるか、屋根塗装が先になるかは、天候や業者の都合によって決まります。
外壁塗装と屋根塗装はまとめてお願いした方がお得!
外壁塗装の工事期間は2週間前後
以上が、外壁塗装工事の流れになります。かかる工事期間は2週間前後を目安にしましょう。
見積もり期間を含めると4週間ほど、屋根塗装も行う場合は1ヶ月ほどになります。
あとは、地域や壁面積、使用する塗料でも工事期間は異なります。
条件によっては、2ヶ月以上かかるかもしれませんし、逆に2週間より早く終わるかもしれません。
詳しいスケジュールを知りたい場合は、業者に訪問見積もりを依頼しましょう。工事期間以外にも、いくら掛かるか知ることが出来ますよ。
外壁塗装業者を簡単に探す方法
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リフォーム工事のなかでも、外壁塗装は費用が不明確な工事。依頼する業者によっては50万円以上の差が出ることもあります。
ですので、外壁塗装や屋根塗装を行う際は、必ず複数業者から見積もりを取って比較することが大切!そうすれば、外壁塗装で損することは絶対にありません!
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